台風19号の農業被害額と平成の農業被害額まとめ、報道でよく聞く特定非常災害と激甚災害について説明

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令和元年9月の台風19号の農業被害額は、10月25日現在全国38都府県で1000億円超であることが、農林水産省から発表されました。

農林水産省:令和元年台風19号に係る被害情報より引用

区分
主な被害
被害数
被害額(億円)
(*1)
被害地域(現在38都府県より報告あり)
農作物等 農作物等(*2) 13,322.1ha 85.6 岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、新潟、富山、石川、福井、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、高知(29府県)
樹体(*3) 116.1ha 4.0 山形、福島、長野、京都(4府県)
家畜 219,759頭羽 0.8 岩手、宮城、福島、栃木、埼玉、千葉、長野、新潟(8県)
畜産物(生乳等) 23.4トン 0.0 岩手、栃木、千葉、神奈川、長野(5県)   
農業用ハウス等 3,051件 15.6 岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、新潟、富山、石川、福井、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、高知、長崎(30府県)    
畜産用施設 228件 1.4 岩手、宮城、山形、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、新潟、富山、岐阜、愛知、三重、京都、鳥取(17府県)
共同利用施設 102件 0.1 福島、千葉、新潟、滋賀、鳥取、島根(6県)
農業・畜産用機械 181件 0.5 宮城、栃木、埼玉(3県)
その他施設 2件 0.0 栃木 
小計   108.0  
農地・農業
用施設関係
農地の損壊 5,585箇所 128.9 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、新潟、富山、石川、三重、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取(25都府県)
農業用施設等 7,308箇所 380.7 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、新潟、富山、石川、愛知、三重、滋賀、大阪、奈良、和歌山、鳥取、島根(27都府県)
小計   509.6  
林野関係 林地荒廃 525箇所 160.0 岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、三重(17都県)
治山施設 63箇所 17.0 宮城、福島、栃木、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、三重、和歌山(11都県)
林道施設等 5,449箇所 108.0 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、山梨、長野、静岡、愛知、三重、兵庫、奈良、和歌山、鳥取(23都県)
木材加工・流通施設 81件 25.7 岩手、宮城、福島、栃木、埼玉、千葉、神奈川、長野(8県)
特用林産物施設等 83件 3.4 岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、長野、静岡(10県)
小計   314.1  
水産関係 漁船 232隻 1.2 岩手、宮城、福島、茨城、千葉、東京、神奈川、静岡、新潟、富山、石川、福井、三重、和歌山、鳥取、島根、広島(17都県)
漁具 98件 0.7 岩手、宮城、山形、神奈川、静岡、新潟、富山、福井、三重、鳥取、島根、佐賀(12県)
養殖施設 300件 0.6 岩手、宮城、山形、茨城、群馬、千葉、新潟、福井、鳥取、広島(10県) 
水産物 105件 3.7 岩手、宮城、山形、群馬、千葉、東京、山梨、静岡、新潟、福井、和歌山、広島(12都県)
漁具倉庫等 136件 0.7 宮城、千葉、神奈川、山梨、静岡、新潟、福井和歌山(8県)
漁港施設等 78漁港 72.0 岩手、宮城、福島、茨城、千葉、東京、神奈川、静岡、滋賀、和歌山、鳥取、徳島、高知(13都県)
漁業用施設等 3件 4.0 岩手
共同利用施設 189件 5.4 岩手、宮城、山形、福島、茨城、千葉、神奈川、静岡、和歌山、島根、山口、高知(12県)
海岸漂着物 14海岸 5.3 宮城、福島、千葉、神奈川、静岡(5県)
小計   95.6  
合計   1,027.3  

*1:現時点で都道府県から報告があったものを記載しており、引き続き調査中。なお、報告には被害数の報告のみで被害額は調査中のものも含まれる。

*2:水稲、大豆、そば、だいこん、ニンジン、はくさい、アスパラガス、キャベツ、レタス、キュウリ、ブロッコリー、セロリ、ねぎ、にら、ほうれん草、とまと、なす、イチゴ、キウイ、ぶどう、イチジク、みかん、かき、りんご、なし、りんどう、葉ボタン、食用菊等

*3:りんご、もも、ぶどう、茶

令和元年台風第19号等に係る被害情報:農林水産省

38都府県といえば、北海道と九州を除く都道府県にほぼ該当します。

では、過去に1000億円以上の農業被害が発生した災害はどれくらいあるのでしょうか。

平成時代の農業被害額(3000億円以上)まとめ、報道でよく聞く「特定非常災害」と「激甚災害」について説明します。

過去にも1000億円の農業被害が発生した災害

記憶に新しいところで、平成30年7月豪雨の農業被害額は1000億円を超えています。

食品産業新聞社ニュースによれば、農業被害額が1000億円を超えるのは平成30年7月豪雨以来で、平成30年7月豪雨の農業被害額は、3400億円超であったことが報じられています。

令和元年の農業被害状況

令和元年の農業被害状況をまとめると、

令和元年の農業被害まとめ(10月25日現在)

・台風19号(10月) 1027.3億円

・台風15号(9月) 509.2億円

・8月豪雨 213.5億円

・6月豪雨 92.8億円

10月25日現在で、1842.8億円の農業被害が発生していることがわかります。

平成の農業被害状況

北海道胆振東部地震や7月豪雨があった平成30年の農業被害はというと、5679.5億円と自然災害による農業被害は非常に甚大で大きな災害があった年であると言えます。

平成元年~平成29年までの農業被害額3000億円以上の年(農林水産省:災害に関する情報より抜粋)

年次 主な災害 被害額
平成2年 秋雨前線豪雨 5172.7億円
平成3年 台風17・18・19号 11276.7億円
平成4年 低温・日照不足 3503.8億円
平成5年 冷害 19409.3億円
平成6年 干ばつ 3709.8億円
平成7年 梅雨前線豪雨 7145.7億円
平成8年 低温・日照不足 3323億円
平成9年 台風19号 3681.5億円
平成10年 台風5・7・8号 6803.9億円
平成11年 台風16・17・18号 6280.0億円
平成15年 冷害 6501.7億円
平成16年 台風23号 10004.7億円
平成23年 東日本大震災 27054.9億円
平成26年 平成25年11月からの大雪 3126.2億円
平成28年 熊本地震 4357.8億円

特定非常災害と激甚災害とは

被害が大きい災害が発生すると、「特定非常災害」や「激甚災害」といったことがニュースなどで報道されます。

ニュースでよく聞く「特定非常災害」と「激甚災害」 ですが、どういったことなのか説明します。

特定被害災害とは、

著しく異常かつ激甚な非常災害。死者・行方不明者・負傷者・避難者などの罹災者(りさいしゃ)および住宅の倒壊などの被害が多数発生し、交通やライフラインが広範囲にわたって途絶し、これによって地域全体の日常生活や業務環境が破壊された状態になるような災害。特定非常災害特別措置法に基づいて指定される。

デジタル大辞泉より引用。

過去に特定非常災害に指定された災害は、

特定非常災害に認定された災害

平成7年(1995) 阪神淡路大震災

平成16年(2004) 新潟県中越地震

平成23年(2011) 東日本大震災

平成28年(2016) 熊本地震

平成30年(2018) 7月豪雨

令和元年(2019) 台風19号

特定非常災害に指定されると、以下の措置があります。

  • 許認可等の存続期間(有効期間の延長)
  • 期限内に履行されなかった届出等の義務の猶予
  • 法人に係る破産手続き開始の決定の留保
  • 相続放棄等の熟慮期間の延長

激甚災害とは、

デジタル大辞泉より引用。

大規模な地震や台風など著しい被害を及ぼした災害で、被災者や被災地域に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法に基づいて政令で指定される。

激甚災害に指定されると、地方公共団体の行う災害復旧事業等への国庫補助の嵩上げや中小業者への保証の特例等、特別の財政助成措置が講じられます。

1980年代までは、激甚災害に指定されることが少なかったですが、1999年(平成11年)に激甚災害法が改正されて以来、毎年のように激甚災害指定が行われ、災害復旧に国庫金が使われています。

激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 - Wikipedia

令和元年の台風19号による災害にも激甚災害指定を行うと報道がありました。

【台風19号】 激甚災害指定へ 安倍首相が対策本部で方針
安倍晋三首相は14日夕、首相官邸で開いた台風19号の非常災害対策本部の会合で「被災地が躊躇(ちゆうちよ)せず、全力で応急対策や復旧対策に取り組めるよう、激甚災害…

台風19号の後にも大雨が続いている地域があります。

今後も河川増水や氾濫が続く恐れがありますので、十分注意しましょう。

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