テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)で、難病である「コケイン症候群」の男の子と家族を6年間追った、『わが子は誉れ ―老いてゆく男の子と家族の6年間―』が6月28日に放送されます。
この記事は、「コケイン症候群」についてや、出演される男の子についてお話しします。
難病「コケイン症候群」を患った男の子
画像引用:ライブドアニュース
『テレメンタリー2020』の『わが子は誉れ ―老いてゆく男の子と家族の6年間―』に出演されるのは、宮城県に暮らす須知誉(すち・ほまれ)君。
ほまれ君が患っているのは、幼い頃から老化現象が進む難病「コケイン症候群」
コケイン症候群は、50万人に1人という希少難病で、知的障害・歩行障害・視力障害・難聴・腎不全などの症状が現れ、患者の平均寿命は10代後半と言われています。
「コケイン症候群」とは
コケイン症候群とは、”早老症”に分類される疾患の1つです。少し難しい言い方ですが、正確には”常染色体劣性遺伝により発症する光線過敏症紫外線症”のことをいいます。
健康長寿ネットより引用。
わかりやすくいうと、「年老いていく病気」
主な兆候として
- 著明な成長障害
- 精神運動発達の遅延(言葉や歩行の発達が極めて遅い)
- 早老様の特徴的な顔貌(くぼんだ眼と頬、鳥の嘴様(くちばしよう)の鼻など、老人のように見える)
- 日光過敏症状(ひどく日焼けしたような紅斑、浮腫、水疱の形成)
が、あげられ、健康長寿ネットによると、現在根本的な治療法はないそうです。
ほまれ君一家と番組スタッフの6年間
画像引用:ライブドアニュース
ほまれ君一家を6年間取材した番組スタッフ。
ライブドアニュースに取材の記録の一部が掲載されていたので紹介します。
スタッフが誉君と出会ったのは2014年。当時6歳の誉君は、言葉は上手に発せないものの意思表示はでき、歩行器を使って歩くこともできた。誉君は「食べることが嫌い」と言うが、これも病気の特徴の1つ。母親の富美さんは毎食、2時間以上かけて1口ずつ食べさせてた。食べないと栄養障害が起き、命に関わるのだ。
2017年、誉君は9歳の時に「胃ろう」を設置。胃に穴を開けて管を通し、そこから流動食を入れ、栄養を取ることに…。富美さんは、誉君が胃ろうにしてからも時々、手料理を作っていた。しかし、次第にその手料理を口から食べることも難しくなっていた。
昨年、12歳になった誉君。立つことができなくなり、目が見えなくなってしまった。しかし、そんな暗闇の中で、失われずに“輝いている”ものがあった。それは、毎年、誕生日に家族が歌っていた「ハッピーバースデー」の歌。小学校卒業祝いのケーキを前に、誉君は1人で、その歌を口ずさんだ。言葉を発することもできなくなっていたが、力を振り絞るように家族との思い出を“歌った”…。
ライブドアニュースより引用。
ほまれ君の誕生から「コケイン症候群」の診断を受け、小学校に入学されるまでの様子を、日本コケイン症候群ネットワークでお母様の須知富美さんが書かれています。
一部を抜粋紹介します。
2歳になるころにはふらふらしながらも10秒程立つことが出来るようになり、とてもゆっくりですが2,3歩歩くようになってきました。ただ体は同年代の子に比べればかなり小さく、成長ホルモンの検査をすることになりました。検査結果は、異状なし!ホッとした反面、痩せている体に対して治療法がないことが少しがっかりしたのを覚えています。
そんなころ心配した親戚の方から成育医療センターの事を聞き、セカンドオピニオンで診察を受けることに。私は、またどうせ「発達遅滞かな?」くらいの話だろうと、気軽に先生の話を聞いていると「コケイン症候群です。」と言われ頭が真っ白になりました。
私たちは診断を受ける約1ヶ月前に、宮城県で震災にあいました。誉と私は診察の帰り道に津波に遭い、弟は私の実家がある宮城県の女川で両親と一緒にいて、主人は仕事で仙台とみんなバラバラなところにいました。幸い命は助かったものの、家族が会えたのが1週間後。この時命を落としていたかもしれないと考えると、誉の寿命が人より短いものであっても、私たちにとっては『もうちょっと生きていいんだよ。』と言われた気がして、前を向いていくことが出来ました。
日本コケイン症候群ネットワークより引用。
6月28日放送の『わが子は誉れ ―老いてゆく男の子と家族の6年間―』は、6年の間、どんどん老いていく誉君の様子を、増田貴久さんのナレーションで追っていくそうです。
特定の遺伝子の変異によって発症する「コケイン症候群」
治療法が早くみつかることを願います。
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参考:健康長寿ネット、ライブドアニュース、日本コケイン症候群ネットワーク
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