2016年11月、新宿外苑のイベント会場で、展示物のジャングルジムが燃えて火災が発生し、当時5歳の男の子が焼死した事件で、当時19歳の大学生だった男性(23)ら2人の初公判が19日、東京地裁で行われました。
被告の男性は、この裁判で無罪を主張。
この記事は、5歳児がジャングルジムで焼死した事件について、また、当時大学生だった被告が裁判所でした言い訳についてお話しします。
5歳児がジャングルジムで焼死した事件
5歳児がジャングルジムで焼死した事件が発生したのは、今から4年前の2016年11月。
当時のニュースを調べてみると、産経ニュースが事件の様子を生々しく伝えています。
5歳児死亡 遊べる木製ジャングルジム内に「おがくず」、強いライト当てたのが原因か「中に子供が!」大人たちの叫び声、球場にまで煙
芸術の秋。週末でにぎわう都心のアートイベント会場で、まさかの悲劇が起きた。6日夕、東京都新宿区の明治神宮外苑で開催中のイベント会場に展示されていた木製ジャングルジムが突然燃え、中で遊んでいた5歳の男児が死亡した。「中に子供がいる!」。近くにいた40代の父親ら大人たちの叫び声が響いたが、男児を救い出すことはできなかった。
「子供がいる! 中に子供がいる!」「消火器持ってこい!」「下がって、下がって」。叫び声が飛び交う会場。木製ジャングルジムのオブジェは、既にオレンジ色の炎に包まれていた。
明治神宮外苑にある軟式野球場の敷地内で開催されていたイベント「TOKYO DESIGN WEEK2016」。午後5時15分ごろ、展示物の1つから火の手が上がった。周囲の人が消火器を持って駆けつけ、火は10~15分後に消し止められた。が、展示物の中で直前まで楽しく遊んでいた男児が、外に出てくることはなかった。
死亡したのは東京都港区在住の幼稚園児、佐伯健仁(けんと)ちゃん(5)と判明した。救出しようとした健仁ちゃんの父親(44)と別の40代男性もやけどを負ったが、意識はあり命に別条はないという。
産経ニュースより引用。
木製のジャングルジムの中に木くずを詰め、照明として中でLED球を使用していたようですが、漏電やトラッキング火災(ほこりや湿気が入って起こる火災)を防止するために、LED電球の根本をビニールテープでぐるぐる巻きにしている画像がツイートで残っています。
しかし、トラッキング火災を防止しようとした行為が、ヒートシンク(放熱・吸熱を目的として機械の構造の一部をなす部品)に熱をためる行為だという意見もあります。
被告の大学生が裁判所でした言い訳
8月19日に東京地裁で行われた裁判の様子をjiji.comが報じています。
明治神宮外苑のイベント会場で2016年11月、展示物の木製ジャングルジムが燃えて男児=当時(5)=が死亡した火災で、内部に白熱灯を放置したなどとして重過失致死傷罪に問われた当時19歳の大学生だった男性(23)ら2人の初公判が19日、東京地裁(下津健司裁判長)であった。2人は事実関係を認めて被害者に謝罪した上で、「発火するとは考えられませんでした」などと無罪を主張した。
展示物を制作したのは日本工業大(埼玉県)の学生ら。検察側は冒頭陳述で、「高熱を出す白熱灯を内部に放置すれば、展示物に付着していた大量の木くずが脱落して発火し、火災になることが予見できた」と主張した。
弁護側は「事故以前にも、展示物内部で白熱灯が使われたことはあった」などと述べた上で、「点灯時に出火の危険を覚えるほどの熱量は感じておらず、何らの過失も認められない」と訴えた。
jiji.comより引用。
検察側の「火災になることは予測できた」という主張に対して、弁護側は「事故以前にも、展示物内部で白熱灯が使われたことはあった」「点灯時に出火の危険を覚えるほどの熱量は感じておらず、何らの過失も認められない」と無罪を主張しています。
被告は事実を認めて謝罪したうえで、「発火するとは考えられませんでした」と言い訳ともとれる発言をしています。
被告は事件後に打ち上げをしようとしていた
5歳児が焼死するという痛々しい事故が起きてしまった「東京デザインウォーク2016」
当時、イベントを主催していた「東京デザインウォーク2016」のメンバーが、ボランティアスタッフに向けて、「忘年会をやろう」とメールで案内していたことで当時大炎上していました。
忘年会の案内メールには、このようなことが書かれていました。
『「2016年、今年も1年お疲れ様した」の会を開催致します』
⇒タイトルが不謹慎
『仕事に学業にクリスマスに忙しい時期かと思いますが』
⇒その前に言うことがあるだろう
『もっと沢山の人と話がしたいという人は是非参加してください』
⇒この忘年会の趣旨は何?合コン?
『みんなに良いお年をって言いたい~』
⇒この状況で言えるかと批判殺到
危機タイムズより引用。
被告の2人が、東京デザインウォーク2016の打ち上げに関与していたかは定かではありませんが、事件を記憶している人がネットに当時のことを書きこんでいます。

それはそれとして打ち上げでパーっと忘れちゃいましょうみたいな軽いノリのメールがきたんだっけ
本当にすべてにおいて胸糞

あの後普通に打ち上げ飲み会やろうとしたのはちょっと理解できない
ネットのコメント

痛ましすぎる事故だった

後味悪すぎる悲しい事件だよね
無罪主張してるとか最悪だな

電球をかったら説明書に必ず描いてある。
燃えやすいものの近くに置かないとか。
知らなかったは理由にならない。
twitterを見ても、インターネット掲示板を見ても、「痛ましすぎる事件」「被告の無罪主張はおかしい」という声が多数みられました。
5歳児死亡の展示物火災の責任はどこに
この事件で不思議に思うのは、責任がどこにあるのかということです。
東京デザインウォーク2016の主催者に責任があるのか、被告の元学生に責任があるのか。
今更、責任を言い争っても、亡くなられた子供は帰ってきません。
しかし、「発火するとは考えられませんでした」という被告の言い訳には正直腹がたちます。
無罪主張は権利とはいえ、これはないのではないでしょうか。
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参考:産経ニュース、jiji.com、痛いニュース、twitter
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